IPOの集中時に役立つ投資手法2選
- IPO投資家 柳橋

- 2021年1月24日
- 読了時間: 4分
毎年、3月・6月・9月・12月はIPOが集中します。多くのIPOが上場する際に様々な投資手法が求められますが、今回の記事ではIPOの集中時に役立つ投資手法2選と題して、私が実際に実践している投資手法をご紹介します。
今回、ご紹介する投資手法は、公募割れ狙い、即金規制明け狙いという2つの投資手法です。それぞれ優位性が高い方法なので、ぜひ、参考になさってください。
●公募割れ狙い
公募割れ狙いという投資手法は、その名前のとおり、IPOが公募割れした時に売買する方法です。株式市場には、毎年、多くの企業が上場していますが、近年を見ると15%の企業が公募割れする傾向です。
(公募割れ=初値が公募価格より安く決まること)
実は、公募割れする銘柄もIPO投資にはとても大事な収益機会になります。
私はIPOが発表された後は、必ず銘柄の分析を行いますが、その際に公募割れする可能性が高い場合は、IPOを獲得せずセカンダリーに徹します。なぜなら、私のようなセカンダリー派は、公募割れした後のリバウンドを期待して買いますので、初値が決まった後は値上がりすることが多いからです。
公募価格に対して公募割れの下落率が大きければ、期待値は大きくなります。例えば、引き受け価格(約7%)を下回ると、買い支えが弱くなるので下落率は拡大します。
ここで最近の一例をご紹介します。
BASE(4477)です。まずは同社の概要を見てみましょう。
事業内容:Eコマースプラットフォーム「BASE」及び
オンライン決済サービス「PAY.JP」の運営等
公募売り出し数:8,011,800株
公募価格:1,300円 吸収額:119億円 時価総額:249億円
VSリスク:950万株 業績:増収だが赤字
同社は吸収額・時価総額・VSリスクの面で、上場時人気化しないので、
私は公募割れ狙いの戦略をとりました。下記は、その事例です。
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BASE 4477
1210円 700株 1300円売却
公募分 1300円売却
+63000円
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上記の事例では63,000円の利益をあげています。
続いて、即金規制明け狙いです。
●即金規制明け狙い
IPOは上場初日に初値が決まることが多いですが、公募価格の2.3倍以上に買い気配が上昇してしまうと、上場日に初値は決まりません。この場合は翌日以降に持ち越されます。
上場日に初値が決まらない場合は、翌日、取引所が一部の取引を制限します。これを即金規制といいます。即金規制とは正式には、「新規上場銘柄の売買に関する規制措置」といい、 下記の取引の制限が実施されます。
年間で年間で3割のIPOが、この即金規制になる傾向があります。
・成行発注の禁止(買いのみ)
・現金取引のみ(受け渡し金の利用禁止)
・信用取引に制限
上場日は上記の制限がありませんので、多くの買い注文が発注されていますが、即金規制になってしまうと買い需要は減ります。一部の証券会社では即金規制の場合は、ネット注文を取りやめ、電話注文になります。
公募組の売り注文は引き続き発注されますので、二日目以降は初値が決まりやすくなります。(二日目に初値が決まらない場合は三日目も即金規制)ただ、二日目に初値が決まれば、即金規制は解除されますので、三日目からの取引は通常取引に戻ります。
この取引の規制解除の値動きを狙うのが、 IPOセカンダリーの即金規制明け狙いになります。
(翌日の買い需要を期待した買いが入る傾向があるため。)
下記は直近の事例です。セルソース(4880)です。 --------------------------------------
セルソース 4880 公募獲得分 100株 6,020円売却 +374,000円 セカンダリー 6,700円 200株 8,000円 100株売却 +130,000円 8,520円 100株売却 +182,000円
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同社は上場日に初値が決まらなかったので、翌日は即金規制となりました。
そのため、私は後場から買うことにしました。
二日目は公募価格2,280円に対して、前場中に初値は6,020円で決まりました。 そして、後場に入ってから買い気配で始まり、一時ストップ高しましたが、一度剥がれました。私は剥がれて急落した際に買いましたが、再度ストップ高の7,020円で取引を終えて、 翌日も最終的にはストップ高の8,520円で終えています。
いかがでしょう。 公募割れ狙いも即金規制明け狙いもIPOの値動きに特化したセカンダリー投資になります。IPOが集中する時には資金が分散され、公募割れする銘柄が出てきますし、人気化した銘柄は即金規制になります。
それぞれのそれぞれの良い面を活かして、売買するのが私のセカンダリーになります。
IPOが公募割れするかどうか見極めるには、「公募割れのIPOを見分ける需要な4つのポイント」の記事で、どのような銘柄が公募割れしてしてしまうのか解説していますので、参考になさってください。
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