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公募割れのIPOを見分ける需要な4つのポイント

  • 執筆者の写真: IPO投資家 柳橋
    IPO投資家 柳橋
  • 2021年1月24日
  • 読了時間: 5分

更新日:7月16日

公募割れとは、新規公開株(以下IPO)が株式市場に新規上場する際に初値が公募価格を下回る場合をいいます。IPOは公募価格で買い付けますので、初値が公募価格を下回って売却すると損失を被ります。


今回、お伝えする記事では、公募割れをしないIPOの見極め方についてお伝えします。この記事をお読み頂くことで、今後は公募割れをしないIPOを見出すことができるようになりますので、ぜひ、参考になさってください。


公募割れのIPOが発生する要因


毎年、多くのIPOが新規上場しますが、年間で一部のIPOは公募割れします。前述したとおり、公募割れとは、IPOが新規上場した時に初値が公募価格を下回ることをいいます。せっかくIPOを獲得できたのに初値で売却しても損失になってしまっては、IPOを申し込んだ意味がありません。


下記をご覧ください。

企業数 勝ち 負け 分け

2014年 77 60 16 1

2015年 92 83 8 1

2016年 83 67 16 0

2017年 90 82 8 0

2018年 90 80 10 0

2019年 57 50 6 1


上記は2014年から2019年までの年間のIPOの上場企業数と初値の結果を表したものです。2019年は10月21日までの状況を表したものですが、負け数を見ると平均13%のIPOが公募割れしています。


つまり、IPOは全体の15%程度の銘柄は公募割れする可能性があることを表しています。逆にそれ以外のIPOは初値が公募価格を上回っているので、利益が出ていることになります。なぜ、公募割れするIPOがあるのでしょう?


その大きな要因は下記の要因が考えられます。

1.上場市場

2.公募売り出しの割合

3.吸収額と時価総額

4.業績


一つ一つ、お伝えいたします。


●上場市場


IPOは東証一部や東証二部の他に東証マザーズやJASDAQ、その他、地方市場に新規上場するケースがあります。新奇性のある事業を行っている企業は成長性の高い企業が上場しているマザーズやJASDAQに新規上場するケースが目立ちますが、すでに大企業であったり、創業からある程度、成長している企業は東証一部や東証二部に上場することが多いです。


下記は2014年から2019年までの東証一部と東証二部のIPOの結果になります。 東証一部の上場企業数:42社、勝ち数 20、負け数 22

東証二部の上場企業数:43社、勝ち数 28、負け数 15


2014年から2019年までの間で公募割れした企業数は63社ありましたが、その中で東証一部と東証二部の企業は37社含まれていましたので、全体の58%の企業が該当します。東証一部や東証二部の企業は吸収額や時価総額の大きな銘柄が多いため、IPO時は不人気になるケースが見受けられます。


※吸収額とは、公募価格×公募売り出し数 ※時価総額とは、公募価格×発行済株式数


●公募売り出し数の割合


IPOをする企業は上場時に新株を発行して公募として募集しますが、なかには大株主が上場時に益出しのために保有する株数を一部処分する場合があります。この場合、投資家には敬遠されることがありますので注意が必要です。


下記は2014年から2019年までのIPOで売り出し100%の結果になります。

15社:すべて公募割れ


公募売り出しの比率で売り出しだけの銘柄を見た結果、100%だった15社は全て公募割れしています。もし、IPOが発表された際に売り出しだけの場合は注意が必要です。また、売り出しの比率が90%を超える場合も注意しましょう。


●吸収額と時価総額


東証マザーズやJASDAQといった新興市場は東証一部と違って一日の売買代金はそれほど多くはありません。例えば、2019年10月21日の売買代金を見ると、東証一部は1兆5304億円の売買代金ですが東証マザーズは383億円、JASDAQ(スタンダード)は495億円となりました。


東証一部全体と比べると東証マザーズは25%、JASDAQ(スタンダード)は32%にしか及びません。私は東証マザーズの場合は吸収額30億円、時価総額200億円以下の銘柄に注目し、JASDAQについては吸収額20億円、時価総額100億円以下の銘柄を申込むようにしています。


新興市場で上記の基準を超えるケースでは公募割れのケースが多く見受けられるからです。


●業績

IPOの公募価格は資金調達を成功させるため、既存の上場企業よりディスカウントされることが多いですが、IPOは成長する企業に投資をするものなので、業績が赤字の場合は投資家に関心されることはありません。余程、最新のテクノロジーなどで投資家の興味をひかない場合は赤字の場合は見送りましょう。


また、東証二部のIPOに見受けられるケースですが、業績が前年比増収でも減益のケースがあります。仮に赤字ではなくても減収減益、増収減益といった成長性が疑われる場合は公募割れするリスクが高まりますので注意しましょう。


以上、4つのポイントをお伝えしましたが、これだけ注意するだけでも公募割れするIPOを避けることは十分できると思います。IPOを申し込む時に今回、お伝えしたポイントを確認した上で申し込むようにしましょう。


なお、公募割れするIPOは獲得する必要はありませんが、上場した後は収益機会にすることができるようになります。これは私のIPOセカンダリーの手法で、「公募割れ狙い」という方法がありますが、この手法については別の機会にお伝えします。


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